うさぎと一緒に暮らし始めた人の中で、「もっとたくさんのうさぎと暮らしたい」と考えている人はいませんか?うさぎが愛おしくてたまらなくなった人は、複数のうさぎと暮らしたくなります。しかし安易に始めることはできません。ペットの多頭飼いが崩壊した結果、恐ろしい状況に陥ったニュースもあります。うさぎの幸せを望むのならば、注意点やコツを多頭飼いする前に知っておくべきです。
そこで今回は「うさぎの多頭飼いの注意点!複数飼う際のコツ」を解説します。うさぎの多頭飼いを考えている人は参考にしてください。
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うさぎの多頭飼の注意点
最初にうさぎの多頭飼いの主な注意点は次のとおりです。
ココに注意
- うさぎは多頭飼い崩壊になりやすい
- 崩壊の原因は飼い主にある
- うさぎの特性を知っておく
- 性別による相性にも注意
詳しく解説をします。
うさぎは多頭飼い崩壊になりやすい
うさぎは多頭飼育崩壊を起こしやすい動物です。実際にニュースとして取り上げられたこともあります。多頭飼いをする前に、崩壊した人もいる事実を知っておきましょう。
崩壊しやすい理由はうさぎの「繁殖能力の高さ」です。うさぎは小動物、自然界のなかでは捕食される側にいます。絶滅を防ぐため繁殖能力が高くなりました。繁殖能力の高さは次のとおりです。
さらに詳しく
- 生後数カ月で発情期を迎える
- 一年中いつでも繁殖できる体質
- 重複妊娠ができる
- 交尾から1カ月ほどで出産する
- 一度の出産で平均5羽~6羽を出産する(一度に10羽を産んだ例もあり)
- うさぎに生理はなく、交尾を行うと排卵される(交尾排卵動物)
- 健康な状態で交尾をすると、ほぼ確実に妊娠をする
発情が始まる年齢には個人差があります。オスは生後6~10カ月後程度、メスは生後4~8カ月後程度です。成長の早いうさぎだと、生後3カ月で発情期を迎えるケースもあります。オスのうさぎは一度発情をすると常に発情期です。発情の周期はなく条件がそろうと発情をします。得におどろくのがメスの重複妊娠です。おなかに赤ちゃんがいるにも関わらず妊娠をします。
うさぎの繁殖能力の高さは、厳しい自然界で子孫を残し絶滅をしないために得られた能力です。知らずに多頭飼いをすると、いきなり増えることもあります。
崩壊の原因は飼い主にある
繁殖能力が高いからと言っても崩壊の原因は、うさぎにありません。多頭飼いで崩壊をする原因はすべて飼い主にあることを知っておきましょう。「可愛すぎるから複数飼いたい」と思う気持ちもわかります。しかし可愛いだけで新たなうさぎを迎えてはいけません。注意しなければいけないのは、本当に多頭飼いができる状況かの判断です。
ココがポイント
- 万が一同時に病気や怪我をしたら看病できる時間はあるのか
- 自分に餌代や治療費の支払い能力はあるのか
- うさぎと遊ぶ時間が確保できるのか
- 多頭飼いできるだけのスペースがあるのか
上記を無視して多頭飼いをするわけにはいきません。うさぎは病気や怪我をしやすい小動物です。状況によっては、うさぎを連れて病院に行った翌日に、また別のうさぎを連れていくケースも考えられます。任せられる人がいなければ、うさぎのために連続して仕事を休まなければいけません。病気になったときのリスクを考えておくのも飼い主の責任です。
また、うさぎの飼育には年間で1羽あたり約9万円程度が必要と言われています。病気になれば出費はさらに増すかもしれません。自分に経済力があるかどうかの見極めも重要です。
うさぎと遊ぶ時間も考えなければいけません。多頭飼いをすると、遊ぶ時間も増えます。忙しいから今日は無理となれば、うさぎのストレスが高まるかもしれません。何日も続けばストレスにより病気になるリスクも高まります。また、狭いスペースに何羽ものうさぎが押し込められるのもストレスです。多頭飼いをするときは十分なスペースが必要になります。
多頭飼いを失敗した人の中に「うさぎが寂しそうだったから増やした」という言い訳をする人もいました。完全な間違いです。うさぎは多頭飼いを望んでいません。多頭飼いを望んだのは飼い主です。飼い主には多頭飼いを望み実行した責任が伴います。自分に多頭飼いできるだけの余裕があるかどうかの確認が必要です。
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うさぎの特性を知っておく
多頭飼いを始める前に、うさぎの特性について詳しくなっておくのも必要です。可愛いうさぎ同士の行動に飼い主がほっこりとしていたら、急に喧嘩が勃発するケースもあります。注意が必要です。
ココに注意
- うさぎは単独行動が好きで自分が一番になりたい動物
- 縄張り意識が強く、兄弟であっても関係なしにテリトリーの拡大を考える
- お互いが鼻をくっつけているときは警戒している可能性が高い
うさぎには集団行動をするイメージがありますが、基本は単独行動です。「複数のうさぎが群がっている状況を見たことがある」という人もいるかもしれませんが、発情期と推測できます。1羽のオスにメスが集まっている状況です。
さらに縄張り意識が強いことにも注意をしましょう。別のうさぎがくると縄張りを守ろうと攻撃的になります。自分のテリトリーを守ると当時に、広げようとも考えている動物です。
また、うさぎ同士が鼻をくっつけている状況を見ることもあります。「仲が良くて安心した。可愛い」などと思うかもしれませんが、それは勘違いです。お互いの臭いを嗅ぎながら威嚇をしている可能性があります。飼い主からは、うさぎがじゃれあっているように見えても、ただ単にマウンティングを取ろうとしている可能性が高いです。目を離すと噛みついているかもしれません。喧嘩により目を傷つけ手術が必要になったうさぎもいます。
ただ仲の良い仕草にも似ているので注意をしましょう。口の臭いをかいでいるときは警戒をしていません。仲の良いサインです。からだをぴったりと寄せ合っているのも仲が良いときにおきる行動です。お互いが寄り添うことで安心をしています。
飼い主は、うさぎの特性を知ることで険悪なのか仲が良いのかを見極めましょう。ただし、仲の良いサインをみたからと言っても安心はできません。縄張り争いで翌日には険悪になることもあります。
性別による相性にも注意
多頭飼いをするときは性別にも注意が必要です。新たに迎え入れるうさぎの性別は相性の良いうさぎにしましょう。
オス同士の相性
一般的に、オス同士の相性は悪いと言われています。最初に飼い始めたうさぎがオスの場合は、新たに迎え入れるうさぎはメスがおすすめです。オスは個人さもがありますが、縄張り意識がメスよりも強くトラブルが頻繁に発生します。喧嘩によりマウンティングを取られたうさぎはストレスが高まるかもしれません。病気になる可能仕もあります。ただオス同士で多頭飼いしている人もいるので、注意をすればオス同士でも可能です。
ココに注意
- 去勢手術で穏やかにする
- 飼い主ができるだけ見張る
去勢手術で性格が穏やかになります。また、2羽を一緒に遊ばせるときは飼い主が常に見張りましょう。飼い主が居ないときの離し飼いはNGです。2羽を同時に開放するときは、常に見張りし喧嘩をしないよう注意します。
メス同士の相性
メス同士は相性の良い組み合わせです。しかし性格には個人差があります。メスだからマウンティングをしないとも限りません。縄張り意識の強いメスもいますので注意は必要です。
オスとメスの相性
オスとメスの相性も悪くはないのですが、繁殖に注意をしなければいけません。先ほど繁殖能力の高さを説明しました。放置をすると一カ月後にはうさぎが倍以上に増えます。多頭飼育が崩壊する原因です。去勢か避妊の手術を検討しましょう。手術は絶対にしたくないと考えている人は、むやみに一緒に遊ばせてはいけません。十分な注意が必要です。
新たなうさぎを迎え入れるときは、性別による相性も確認しておきましょう。
うさぎを複数飼う際のコツ
うさぎを複数飼う際のコツは次のとおりです。
ココがポイント
- ケージは1羽に1つ
- ゆっくりと慣れてもらい数週間は様子を見る
- 年齢を離す
- 去勢か避妊手術が必要
- 優先順位は付き合いの長さで決める
詳しく解説をします。
ケージは1羽に1つ
うさぎのケージは別々にするのが複数飼う際のコツです。スペースやお金にが余裕がなく用意できない場合は、多頭飼いをするべきではありません。
先ほども何度が説明しましたが、うさぎは縄張り意識の強い動物です。自分のテリトリーを守るために喧嘩をします。別々のケージを用意することで、縄張り争いから発生するストレスを抑止するのが目的です。
ゆっくりと慣れてもらい数週間は様子を見る
新たなうさぎを迎え入れるときは、ゆっくりと慣れてもらいましょう。急にうさぎの姿をみると先に飼われていたうさぎが警戒をします。ゆっくりと段階を踏むことが複数飼う際のコツです。
ココがポイント
- 4~5日程度は姿を見せず、臭いで別のうさぎがいる存在に慣れさせる
- 両方にリラックスが見られたら別々のケージの中で姿を見せる
- 飼い主が注意深く監視できるときにケージの外で合わせる
迎え入れてすぐにはお互いを合わせません。急に姿を見るとうさぎに強いストレスを与えます。また受け入れたうさぎに、伝染するような病気が見られたら危険です。数日離して生活させることで、徐々に慣れさせながら伝染も防ぎます。
両方にリラックスが見られたら別々のケージに入れたまま姿を見せましょう。どちらかが興奮したら姿を遮ります。
姿を見てもだいぶリラックスが見られたらケージの外で合わせます。このときも無理やりケージから出すのではなく、うさぎが自分から出てくるのを待ちましょう。喧嘩を始めたらすぐに離す必要があるので、目を離してはいけません。徐々に慣れさせることで安心をさせます。
急に合わせたことで喧嘩をし、残念な結末を迎えるケースが実際にあったことも知っておきましょう。ストレスを与えないようにゆっくりと合わせることが複数飼う際の最初のコツです。
年齢を離す
性別の相性も重要ですが、年齢も気にしましょう。年齢の離れたうさぎを迎えるのが複数飼う際のコツです。
同じ年齢だと喧嘩しやすくなります。縄張り意識が強いため、お互いの立場を主張し合い喧嘩をするのです。後から迎えるうさぎは、年齢の低い子うさぎにしましょう。小さいことかもしれませんが、少しでも心地よい場所を提供するための工夫です。
去勢か避妊手術が必要
注意点でも説明しましたが、うさぎを複数飼う際は去勢か避妊手術が必要です。
去勢のメリット
- 繁殖ができなくなる
- 行動が穏やかになる
- 発情によるストレスレベルの軽減
- 生殖器に関する病気の予防につながる
避妊のメリット
- 繁殖ができなくなる
- 行動が穏やかになる
- 未避妊だと子宮ガンで亡くなる可能性が非常に高い
複数飼う場合は、お互いの性格が穏やかだとうまくいきます。去勢や避妊が、行動を穏やかにするのです。また繁殖の心配がなくなり多頭飼育崩壊の状況を防げます。病気にかかるリスクが低減できるのもメリットです。
ただし手術によるリスクもあります。手術には全身麻酔が必要です。しかし4歳以上のうさぎの半数以上が子宮ガンであるという論文もあります。避妊をしていないメスのうさぎの9割が子宮ガンで亡くなるそうです。
手術に抵抗があるかもしれませんが、リスクを考えると手術はするべきではないでしょうか。多頭飼いをするのならば前向きな検討が必要です。
優先順位は付き合いの長さで決める
うさぎにも人のように上下関係があると言われています。何かするときは先に居たうさぎを優先しましょう。
- 食事
- グルーミング
- 一緒に遊ぶ
すべて先に居たうさぎを優先します。いままで飼い主の愛情をすべて受けていました。しかし多頭飼いを始めると新参者と飼い主の愛情をシェアしなければなりません。最初に居たうさぎには大きなストレスです。
後からきた子うさぎばかり気に掛けるのはストレスにつながります。しかしだからといって神経質になる必要もありません。「5分遊んであげたらからこっちも5分きっちりとしなきゃ」など細かく気にすると緊張をします。緊張がうさぎに伝わるのも良くない状況です。
先に居るうさぎを優先しつつ、極力平等にすれば問題ありません。
後からきた子うさぎを可愛がりたい気持ちもわかりますが、先に居たうさぎを優先したお世話を心がけるのが、複数飼う際のコツです。ただし重く考えすぎず、飼い主も楽しみながらうさぎとの共同生活を送るようにしましょう。
まとめ
「うさぎの多頭飼の注意点!複数飼う際のコツ」を解説しました。うさぎの多頭飼いは非常に難しいです。縄張り意識が強く、仲が良いと思った翌日に喧嘩をしていることがあります。喧嘩により怪我するかもしれません。病気にもかかりやすく、うさぎ同士の飛沫感染にも注意が必要です。
新しいうさぎを迎える前に、愛情を注げる時間とお金が確保できるかの確認をしましょう。愛情が続けば多頭飼いは成功します。飼い主の負担は今回の記事で説明をしました。記事を読んでも大丈夫と思った人だけが多頭飼いを始めるべきです。